それでもベルリン・フィル!
今年のベルリン・フィルの『ヨーロッパコンサート』は、テル・アヴィヴで予定されていたけれども、このコロナウィルス感染対策でも中止。
それに代えて。。。
キリル・ペトレンコ指揮、ベルリン・フィルの室内楽バージョン、コンサートマスターは樫本大進という布陣で、本拠地のベルリン・フィルハーモニーでとても美しい室内楽版のコンサートを開催してくれました。
もちろん無観客です。
ベルリン・フィルの定期のプログラムを見ると、現代作品が極めて多いことに驚きます。その中にあっては、ルトスワフスキなどはもう古典の部類かもしれません。
まず日本のオケの定期では聴くことがないプログラムが主になっています。
今日のプログラムも斬新です。
そしてマーラー交響曲第4番の室内楽版。まったく初めて聴きました。
あのマーラーがこんな風になってしまうのかと。メンバー構成は似ていても、ヴィヴァルディの四季とはまったく違うことになるものですね。
『四季』は、あの人数でも情景描写豊かな、芳醇な大地の営みと馥郁たる香りが立ちのぼる。
マーラーの4番を室内楽版にすると、極めて緻密で、一人たりともそのアンサンブルからはみ出ることなく、最小限の点と線の結合となる。あのマーラーが、細やかで、デリケートな、どころか神経質な音楽に変貌する。
唯一、変わらないのはソプラノの歌で、それを拠り所に、あぁ、私の知っている音楽だと安堵する。
もしかすると。。。
それは視覚的な影響からでしょうか。
あの広いステージに異常なくらい間隔をあけて座るメンバーたち。
楽器の響きは薄まり、密な構築性は望むべくもないけれども、それとは別にコロナによる偶然の産物なのか、この間隔だったからこそ生まれた音楽だったかもしれません。
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