みんなで演奏した三善晃ピアノ作品
2年に一度、Miyoshiピアノメソード演奏会が全国で催されます。福岡、大阪、仙台、名古屋、そして2月11日には東京で締め括られます。
会場は表参道カワイパウゼ。東京での演奏会の特徴は、一般公募で応募くださった方々、私たちアドバイザー、その生徒さんたちなど全員参加で行われます。
今回は私の生徒さんたちも活躍でした。もっともちびちゃんは年中さんの悠永くん!そしてピアノの先生もしている晴美さんまで出演し、私も弾きました。
悠永くんもちょっと背伸びしたチャレンジの曲を第4巻から2曲弾きました。年中さんで第4巻はハードルが高く、特に『いきかうよろこび』は、一つのモチーフが少しずつ形を変えながら、右手と左手に呼応しあうように次々出てきます。そのことを、おりこうさんの悠永くんはレッスンの途中から子供なりによく理解するようになり、曲が生き生きとしてきました。とても立派に弾いてえらかったです。
伊凛ちゃんは5巻から、通称チビちゃんシリーズの中から5曲弾きました。伊凛ちゃんが今回習得したことは新しいペダリングで、以前からペダルを使ってはいましたが、『仔鯨の夢』で音を混ぜ合わせる使い方を覚えて、綺麗な響きを作り出しました。最後の曲は特にとてもテクニカルで難しいのですが、これは練習の成果がありしっかり弾きました。
あいちゃんもかなりチャレンジの曲を選曲し、Miyoshiメソードを代表する曲「猪たちの祭り太鼓」を上手に弾きました。あいちゃんは音が鳴るので弾きばえがします。同じスタカートを弾くでもインパクトが強く感じられて、曲全体が鮮明になるのです。これはコンペなどでは効果的ですね。
『猪たちの祭り太鼓』はこのメソードの看板曲でもあり、和の精神を大切にする、日本人のアイデンティティを音にした作品です。三善作品は全般に和の素材を全面に押し出すことはなく、おそらく三善先生は国民的作曲家であろうと考えたことはなかったでしょう。しかしアイデンティティはしっかり持つ。そして構えず自然体で弾いてほしいという願いが込められています。
第6巻の最後に変奏曲が2曲あります。この変奏曲2曲が弾けるようになれば、もうピアノを弾く基本をマスターしたことになり、ピアノと自分との距離が近くなったことを感じると思います。音楽が自然に身体に流れるようになる、音楽と一体化した感覚が持てるはず。。。!この2曲は第1部の最後に夏凛ちゃんが弾きました!夏凛ちゃんもとても成長しました。
さて次は第2部に入ります。
第7巻辺りから徐々にこのメソードは難易度が上がり、練習曲として様々なテクニックや音楽的要素のコンビネーションが複雑になってきます。
美海ちゃんは第9巻から5曲弾きました。5曲も!!テクニカルな曲と、音楽性豊かな曲が組み合わさっていて、一瞬たりとも気が抜ける時がありません。5曲目の「とんぼのすべり台」はカプリース(気まぐれに)と表示があり、それこそジェットコースターのように上がり下がりが激しい曲。スリリングでしたがうまく切り抜けて、無事5曲を完了。美海ちゃんも最近とても成長しているなぁと感じます。
私は第10巻から7曲!!7曲も!!7曲全てが個性的で弾くのが楽しかったです。でも『飛沫』シリーズの最難曲、「華やかな飛沫」は最初から終わりまで連打の連続でこれはなかなかきつい。集中力の曲です。
三善晃の作品はとても緻密に組み上げられていて、どんな世代でこれらに接したとしてもテクニックや楽譜を読み取る力が向上することは間違いありません。そのように作曲して下さっているということですよね。そこに信頼があります。
そして次は第11巻から6曲弾いた渚月ちゃん。第11巻!そこから6曲も!!とても頑張りましたね。『指』シリーズは価値ある5曲です。様々なテクニックと調性の変化のコンビネーション。渚月ちゃんの指の動きはとても緻密で、後でアドバイザーの田中先生からお褒めの言葉を頂きました!それまで何でもなく弾けていたところに実は落とし穴が隠されていて、ステージではその穴に足を突っ込みそうになったけど、右手で堪えて復活!ほんと、拍手です!
そして最後は晴美さん。第12巻の総合練習の4曲を弾き切りました!晴美さんもきちんとさらうので、ステージでもしっかり音が鳴ります。特に最終曲の「鏡のフィナーレ」の最後は迫力で締め括りました。
みんなお疲れさま!三善晃の曲を弾くと、どこかでしくじったり、抜けたり、どうにかなることがあって、それを次への原動力にしていくのです。よしっ、次こそは!って思いながら毎回向上を目指しているのようなものです。三善先生に感謝です。
東京のアドバイザーは、武田真理先生、田中貴子先生、そして私と現在は3名で活動しています。武田先生とはこのお仕事の最初からですから、もう20年になります。なんだか3人気があっていつも和気藹々の雰囲気です。有難いことだと思っています。
今後もこのメソードや三善晃の作品の普及に力を尽くして参ります。皆様またどうぞよろしくお願いいたします。
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