セミファイナルで聴いたOp.2 ラチ・ダ・レム・ラ・マノ変奏曲!
ショパンコンクールは今日からファイナル。12名のファイナリスト。これから3日間、毎日18時からです。
その前に、セミファイナル3日目最後のセッションで演奏したこの3名はそろってファイナルに進んでいます。
ポーランドのヤクブ・クシュリクJakub・Kuszlik、韓国のヒュク・リーHyuk・Lee、カナダのブルース・リュウBruce Xiaoyu Liu.
私がどうしても書いておきたいのは。。。
このうちの最後の二人のコンテスタントが演奏した、ショパンのラチ・ダ・レム・ラ・マノ変奏曲作品2についてです。(モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」からアリア『お手をどうぞ』のテーマによる変奏曲作品2)
「諸君、脱帽したまえ、天才だ」
とシューマンが評したこの曲。1930年のことです。
シューマンはこの楽譜の出版を知って、まだ面識もなく、名前すらろくに聞いたこともないポーランドのFryderyk Chopin作曲の「変奏曲」とはなんぞや??といぶかしく思って楽譜を手にしたはずです。
そして驚いたものと思われます。
ほぼ2世紀の時を経て、その言葉の本当の価値を知るに至ったヒュク・リーとブルース・リュウのこの曲の演奏。
この二人はたまたまこの曲を選んでいて、そしてたまたま続きでセミファイナルで演奏することになったのです。
この二人の演奏で、セミファイナル3日目の昏迷の雰囲気は一気に拭き払われた感があります。
ヒュクでまず度肝を抜かれ、そして、ブルースはさらに魔術の域にまで誘い込んでくれたと!
ショパンコンクールで滅多に弾かれない曲を極上の演奏で聴けた歓び。これはもう何にも代え難いものです。
何よりも私自身が、今回のセミファイナルはすごいレベルだったと納得して、気持ちよくファイナルに気分を移すことができるのは嬉しいことです。
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