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12月3日、4日は浜松国際コンクールの審査員によるマスタークラス。コンクールはファイナル前のお休み日です。
会場はアクトシティ音楽工房ホール。このようなスケジュールです。
13時00分 アンジェイ・ヤシンスキ
14時45分 パーヴェル・ネルセシアン
16時30分 イム・ドンイル
朝、予定していた「ひかり」には間に合いそうになくなって大慌てでした。さすがに浜松は近くはない!次の「こだま」に乗って12時30分に浜松に到着しました。
ホテルのヤシンスキ先生のお部屋を訪ねます。ヤシンスキネクタイ
・・・お着替え中。
ネクタイ選びのお手伝いをします。
柄のはっきりしたものがステージ映えしてよいのでは?これでよし。と選んだら、それは結び目に黒いラインが出て縁起が悪いと仰る。そんなネクタイ、どうしてわざわざ日本に持っていらしたのやら意味不明です。
それでは!と、光沢のあるブルーの小さな柄ネクタイに決定。先生は最初からそう決めていたに違いありません。こうなりました。
全身チェック。フサフサのウェービーな銀髪は、先生の魅力をさらに引き立てていますよね。(もしハゲでいらしたら….などと想像もしたこともありません。)
 
さて、ヤシンスキ先生のマスタークラス始まりです。演奏者は日本人の伊藤さん。
まず恐怖のスケールテストです。これはヤシンスキ先生のレッスンにおいてはくぐらねばならない関門。いわば超高度な脳と指の体操スケールです。伊藤さんは目を白黒させながらワァ違うっ、ダメだぁ~と叫びながら果敢に挑戦。一つできると、ステップアップしたものを突き付けられます。
どんなスケールかって? それはヤシンスキ先生のレッスンを経験した人だけのヒミツです。
10分ほどヤシンスキスケールと奮闘したあと、ようやく本題のハイドンのソナタホ短調に移ります。
細かく止めながら進めていきます。ヤシンスキ先生のレッスンは、とにかく音楽の『品質を上げる』こと。これに尽きるのです。ヤシンスキマスタークラス
それはツィメルマンを聴けばすぐわかることですね。
その副作用と言うべきか、音楽の質を追及していくことがどれほど孤独を招くことか。頂点を極めるのは孤高の人。
・バランス。オクターブやユニゾンの奏法について、バランスを徹底的に改良します。
・拍。演奏しているときに二つ以上の拍を身体に中に持つこと。
拍とリズムを正すことで、演奏にテンペラメントが与えられるのです。
・ペダル。足で踏むペダルだけでなく、古典の曲には指のペダルを大いに使う。
・フレージング。フレーズの最初と最後の音にアクセントをなくす。
ヤシンスキ先生は、ある種とてもエレガントなものの言い方をなさいます。ストレートに生徒の弱点を指摘はしない
例えば、『音が汚い』とは仰らない。Fの音は、出し方によって強くもいくらでも汚くなるけれども、ヤシンスキ先生は、「ボリュームはそのままにして、しかし鍵盤に全力をかけないように。」と注意なさるのです。
このトーキングのマナーは、特に公開のレッスンでは大切ですね。先生の思いやりでもあり、人を立てるという基本マナーなのでしょう。見習わねば!
 
次はネルセシアン先生です。
いったいどれほどのイマジネーションとインスピレーションと空想力と発想力の持ち主なのでしょうか。この研ぎ澄まされた美意識はたぐい稀です。ネルセシアンレッスンの後
しかし。。。。ほとんど生徒に弾くチャンスは与えずです。数音弾くともう止めて、自分の言葉で語り続けます。
「ペダルはマヨネーズだ!!」ネルセシアン
????
ペダルはマヨネーズ。
けだし名言!
どうぞみなさま、この意味するところをお考えになって下さい。

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