内藤晃さんと生徒さんとマズルカを弾いた日!
ピアニスト、指揮者、その他さまざまな活躍をしている内藤晃さん。
内藤さんの生徒さんのりょうまくんがマズルカを弾くことになり、それではどうせなら祥子さんのお知恵を拝借!と思って下さったのでした。
格別な暑さの中、内藤さんとりょうまくんがそろって私のピアノ室に登場!嬉しい限りでした。
りょうまくんが弾いたのは、ショパンのマズルカ作品17ー3と4。作品24の2。作品67-4この4曲です。
作品17の4曲はそれぞれ私も好きなのですが、実はこの4曲だけはステージで弾いたことがありません。
どうしてなのかな。。。
1番B-durが威勢よくマズールで始まり、オベレクでEs-durに転調するのが単調に感じてしまうのが避けてきた理由かもしれません。
りょうまくんが弾いた17-3As-durは、‘迷い’が‘揺れ’作り出して始まります。腰に手をあてて身体を揺らしながら歌っている様子を表しています。瞬間的にオベレクに変わります。
ここはとても面白い!バスの音が空くので、テンポを早めることも巧みにできます。
そしてマズールに移っていきます。As-durからE-durへ。これは素晴らしい転調で、Asをgisに読み替える異名同音転調です。
その後ほんの8小節だけ、平らなオベレクが入ります。この‘平らな’というところで内藤さんの笑いを誘ってしまいましたが、つまりうんと高速の踊りになると、バスを一定音に保ち、踊りのステップも単純にして、ひたすらぐるぐる旋回することになるのです。
音楽的にはスパイシーな部分と言えます。激しく個性的。だから全曲で121小節あるうちのたった8小節です。全体の中でしめる割合を少なくして、その代わり強烈な個性を打ち出す。ちょっとかっこいい部分です。
17-4 a-mollは有名曲です。なぜ有名かというと、ショパンが14歳の時にシャファルニアで田舎暮らしを体験して、その地でユダヤ系の音楽を耳にしてマズルカを書いたのが、この曲の下地になっています。
もうなんともいえず全曲に漂う鬱々感。気分がめげそうになります。61小節から長調になって、同じフレーズがこれでもかというほど繰り返された末、ffで慟哭の叫びがあがる、これはものすごいドラマですね。
(続きはあとで書きます)
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