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佐原市文化協会創立65周年記念コンサートが1年遅れで8月17日に開催されました!

ソプラノのひらやすかつこさん、バリトンの森野信生さんを筆頭に佐原と関係の深い音楽家がたくさんいらっしゃいます。

私の向かって左隣は菅井幸子さん。歌の伴奏のエキスパートです。

私の右隣はひらやすかつこさん。二期会で活躍され日本歌曲の分野でも平井康三郎の作品を多く歌われています。

そのお隣の着物の方が、お慕いする我らが文化協会の宮永会長です。右端の木内弘子さんはソプラノ歌手。

私が今回演奏したのは、モシュコフスキ:愛のワルツ、ショパン:子犬のワルツOp.64-1, 舟歌Op.60

ガラ・コンサートのとりを取らせて頂き、嬉しい拍手を頂きました。

コロナ禍でじっくりピアノに向かうこともできたし、モシュコフスキはまったく新しいレパートリーで、こういったタイプのコンサートにふさわしい選曲だったと思います。

子犬のワルツはより楽しんで頂けるように、今回は変化を大きくつけて!

そして舟歌は、この光と影の交錯はどこからきて、どのように表現したらよいものかを音響の面からよく考えました。形式面でも大きく分けて3部分からなるうちの中間部分の解釈をもう一度考え直してじっくりさらいました。

歌手の方が多かったので、15分も弾かせて頂いたのは私だけ!歌い手さんたちは、自分の身体そのものが楽器になるので、そうたくさんは歌われません。

これについてはかねがね羨ましいような、何か不公平感があるような、微妙な気がしていました。そういうものなのだ。。と納得しているのですが。

少し前にサントリーホールで聴いたヴィットリオ・グリゴーロのテノールリサイタルでも、実はそう感たのです。グリゴーロは本当に素晴らしく、あの広いステージすべてを使い、私の五感を満足させてくれて、あの歌い方表現をピアノの表現に取り入れたいと切望までしたのでした。

それは確かなのですが、グリゴーロは全身全霊を込めて1曲のアリアを歌うとすぐステージ袖に引っ込みます。

しかしピアニストはステージに残り、今度はソロの曲を弾きます。ソロの曲と言っても、まったく関係ないソナタなどを弾いてしまうわけではなく、オペラの中のアリアのトランスクリプションであったり、何かしら関連性のある曲を弾きます。トランスクリプションだったりするとかなりの難曲です。

しかし主役はグリゴーロだから、ものすごく上手でもグリゴーロほど拍手が多いわけではない。そしてグリゴーロがステージに復活すると次の曲を共演する。

結局ピアニストは出ずっぱり、休む暇はなし。それでもどこかユーモラスに、お疲れに歪めた顔を見せることもなく、生き生きと次々弾いていく。

このピアニストはすごいではないか!エライ!と思ってしまうわけです。

ピアニストだって指先だけで弾くわけではなく、全身全霊かけて巨大な楽器から音を引き出すわけですから、とても大変なはずなのに。。。。

そうはいっても、ピアニストがあまり短い曲ばかり弾いてすぐ引っ込んだのでは間違いなく物足りないでしょうし、不興を買うことでしょう。

結局のところ、そういうものなのだ。。。と納得するのです。

第3部には民謡唄いの大家でいらっしゃる原田直之さんが本格的に民謡をきかせてくださいました。民謡をステージで聴くのは初めてですが、解説をお聞きすると「南部の牛追い歌」などはポーランドのマズルカと実に共通点が多いことがわかります。

それから節まわしが大変美しいのです。おそらく民謡も同じく土から生まれて、よいものは歌継がれ、さらに節回しも洗練されていったのでしょう。

佐原での演奏は久しぶりでした。故郷を共にするお仲間と一緒のステージはとても心安らぎ、また充実したコンサートになりました!

コロナ感染対策のために最大限のお気遣いを下さったスタッフのみなさま、そしてご来場のみなさまにも心からの御礼をお伝えいたします。

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