祐輔くん、千葉音楽コンクール3位入賞!
やりました!祐輔くん。千葉音楽コンクール小学生1,2年部門で第3位!!(1位なし)
とてもとても嬉しい限りです。。。!
千葉音コン小学生1,2年生部門で生徒さんが入賞したのは???。特に最近の傾向として、この部門はボリュームゾーンになり、高いレベルが平均化しているので入賞は大変なのです。
祐輔くんが弾いたのは、カバレフスキー作曲「ソナチネ」、オスカル・コルベルク作曲「マズール ホ長調」の2曲。かなりのチャレンジの曲によく食らいついて頑張りました。私が不在の時にはママがケア。
カバレフスキーは当初から問題なく弾けていました。この『ソナチネ』は、右手にメロディ、左手に後打ち和音で、慣れた手のパターンだから、案外仕上がりがよいのでしょう。
これと逆パターンの『トッカティーナ』は、左手にメロディ、右手に後打ち和音で、人気曲ですが、以外に右手の和音がそろわず仕上がりが悪い、と今回わかりました。
コルベルクの「マズール」。これは難しい曲。でもカッコいい男の曲!
騎士道精神とでもいうべきか、士気高く品格を保ち、マズルカリズムと優雅さも保って弾くのは容易ではない。それにホ長調で、黒鍵も器用に使えることが必須。
昨年のショパンコンクールinAsiaで、1年生の男の子がこれを弾いて金賞受賞したことで火がつき、ゆうすけくんにトライしてもらおうと始めたのでした。
本番はほぼいつも通りによく弾けていました!拍手〜!!
これから望むとすれば、ディナミークの幅を広げ、音色に色合いの変化を持たせて表現を多彩にしていくことや、心の中から湧き出る気持ちを音にできるように。
おぉぉ、よく弾いてるっ!に加えて、上手いなぁと思わせる何かが欲しい、ということでしょうか。
2位になった3人のちびちゃんは、確かに表現性豊かで上手でした。ゆうすけくんと3位を分けたちび男くんは、ちょっと弾き直したからか、客席に戻ってから大泣き。ひっくひぃひぃ。ママの胸に顔を埋めてひ〜ん。素直な反応で可愛いかったです。
1位なしという審査結果は、毅然としていてとても好感が持てると感じます。1,2年生部門は往々にして、将来性を見越して・・などと理由をつけて甘くなりがちですが、実際の演奏は、小林仁先生の総講評のように『飛び抜けてこれは!と思う演奏は少なく、しかしそれなりレベルは高かった。』というお言葉どおりでしたから、1位を出さず、2位に3名とした審査員の姿勢は、評価されるべきと思います。
審査結果とは別に、昨日聴いていて、こんなことを感じました。。。
この13名は、2次予選で私は審査に携わったので、大方のちびちゃんの演奏を記憶しています。ドレスも一緒に覚えていたりして、真っ赤なドレス、勝ちにきてるな。。。なんて密かに思ったりするわけです。←どうでもいいことですけど、でも実は。。。な〜にかしら、あの頭につけてるバカみたいにデッカイ花は、なんてことも思っていたりする。
審査となると点数をつけるので、偏らない聴き方を心がけるせいか、総合的に演奏を聴いています。
昨日は個人的に13名を次々聴いて、音だけ純粋に聴くと、その中で雑味がある音を出すちびちゃんと、森の奥深い湖が透明な水を湛えるような音を出すちびちゃんと、二手に分かれることに気がつきました。ホールの音響の影響もあるかもしれません。
ゆうすけくんの音は後者で、透明度の高い澄んだ音で、その結果音楽も明解でした。
最近知人から聞いた話で、その後に読んだ調律師高木裕さんの著書にも同じことが書かれていた事ですが。。。
1970年代の話。ウィーンフィルのホルン奏者から、ウィンナーホルンのコピー製作の依頼をY社が受け、「お任せ下さい。」と胸を張って請負ったそうです。たちどころに名器ウィンナーホルンの金属の組成を分析して、純度をぐっと高くしたブラスを使い、自信満々、オリジナル以上の音色を持つ、いえ、持つはずの試作品が完成。
ところが。。。予想に反して、オリジナルとはかけ離れた音しか出なかったそうです。
なぜだ?と半信半疑、仕方なく、ブラスに不純物をあえて加えて再度試作したところ、オリジナルと遜色ない音色になったと。
ノイズがある方がよく聴こえる。。。ピッチが完璧に合っていないオケが上手く聴こえる。こんなパラドックスもあり得るのでしょう。雑味のない音で奏でる音楽は、単純に聴こえてしまうのかもしれません。
だから雑味がある音を出したちびちゃんの方が上手い、と言っているのではありません。私はゆうすけくんの澄んだ音に心打たれたし、そういう聴き方ができて面白かったと思うのです。
ゆうすけくん、本当におめでとう!
これからもますます上手になって、ピアノを一生の友にして欲しいです。本当に楽しみだわ。まりちゃんとは同じ通りに住む同級生。二人で上手くなってね。
楠原祥子
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