謹賀新年🎍楠原祥子
㊗️初春
皆様、新年明けましておめでとうございます。
2023年の幕開けですね。東京地方は元旦は雲一つない清々しいまでの陽光に恵まれました。
皆様も佳き新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年はたくさんのお力添えも頂き、いくつか大きな仕事を完遂することができました。心から御礼申し上げます。
まずはザモイスキ著『ショパン プリンス・オブ・ザ・ロマンティクス』の翻訳を大西直樹先生とともに終えて、音楽之友社より10月に出版することが叶いました。
また千葉市主催のレクチャーコンサート「ショパンの魅力」は、初めて大きなホールで自分でデザインした映像を映し出し、自分で操作しながら演奏をしていきました。桐朋学園での講義をベースにして、一般の方にも十分お楽しみいただける内容で、お陰様でチケットは完売でした。
また生徒さんたちも努力して自分を磨き、コンクールで格別な結果を残したり、大きく飛躍したり、それぞれの持てる力を伸ばすことができたと感じています。ご父兄様の協力によるところも大きく、私の言ったことをメモで書き取って普段の練習に生かして下さっていて、日々の積み重ねの大切さがわかります。
そんなこんな。。。
昨年はモノも言わず(ウソです)仕事に没頭したせいで、家の中はもはや何のことやらわからなくなり、毎日同じ食器しか使わず、自分が使う所だけを掃除し、他は見ないフリをして、いえ、本当に見もせず過ごしたのですが、その結果世にも恐ろしい怪奇屋敷の様相を示すほどになってしまいました。
そこで大々的にリフォームを行い、それは年末29日までかかって、ピアノ室にほぼ全ての荷物を持ち込み、ピアノの下はダンボールで埋まり、ピアノの上にも洋食器のカップ&ソーサーなどを非難させて、チビちゃんの生徒ちゃんたちがそれに興味を示しそうになると、「見てはいけません、触ってはいけません」と禁止令を発令。
そして迎えた2023年🎍
今年も元旦は佐原の母を囲んで、兄たち家族とみんなで賑やかにお祝いの膳を頂きました。佐原の清宮の家の隣にある酒蔵をリノベーションした地産地消のフレンチレストラン『ルアン』。みんな気に入っています。
清宮の家に戻って、お腹いっぱいなのに、これだけは!という例年の儀式となっている村上開新堂さんのクッキーを開けます。
見よ、この神々しさ。。。紅白のお紐(「お」をつけないといけない気分になる光沢のある滑らかな紐です)が新年にふさわしいです。
それからはもうワイワイ!です。クッキーそれぞれの種類が書かれているカードと照合して、全てあるかどうか発掘しようとする誰かさん。これって1年待ちなんですよねーっとしげしげと見る👀誰かさん。
そして。。。誰もがちょっと手を出すのを躊躇している数分が過ぎると。。。
あっ!!いちばんチビのふうちゃんが手を伸ばします。
それからはもうみんなで次々口に放り込みます。しっかり素晴らしい風味を味わいつつ、好きなだけむしゃむしゃポリポリ。
本当は美しいお皿にペーパーを敷いてその上に盛り付けるべきでしょうに、でももうそんなことは言っていられません。直接箱から食べる!
本当に格別なお味。あまり油脂分が強くなくて、だからチビちゃんもおばあちゃまも、または病んでいる時でも、食欲減退の時でも、これだけは食べたくなります。
「美味しいですぅ」!
開新堂さんのれなちゃんのピアノのレッスンを始めて何年になるかしら。そしてみきちゃん、まりなちゃんたちは宝塚に入団して立派に活躍中。
時間は過ぎゆく・・・
そうそう、すこし前のレッスンであいちゃんの曲を選曲していた時のことです。
三善晃作曲ピアノメソード第5巻から、人気曲の『窓辺の思い出』『封筒の思い出』をこんな曲よ、と弾いてあげました。
「いい曲だけど難しそう・・・」と顔を曇らせるあいちゃん。
「じゃ、これはどう? 『風さん、みーつけた』『うねって、巻いて、ほどけて』っていう2曲。弾いてみるわね。」
「ゼッタイこっちが好きです!」
そうよね。まだ8歳のあいちゃんは「思い出」なんてほとんど知らない言葉。ノスタルジーなんて感覚は知らないわよね。そりゃそうだわ。
昨年ももちろん良いことばかりではありませんでした。例えば、ショパンコンクールinAsiaでは、ほぼ全員撃沈。本選の課題曲が難しくてなかなか歯が立たない。まだ頑張っているのはれおんくんのみ。そのれおんくん、お正月返上で本選の曲を頑張りました。曲はノスコフスキの『ポロネーズ』。
これまで本選の曲が歯が立たないほど難しいと感じたことはなかったのに、意識が低くなっていたのでしょう。いかんイカンイカン。もう少し曲のレベルをアップしよう!
そんな反省も持ちながら、この2023年はまた目標と希望を持って進んでいきたいと思います。
まずは、2月26日、稲島早織さんのコンサートにゲスト出演します。マイヤーベーア/ショパン「オペラ『悪魔ロベール』の主題による協奏的大二重奏曲(連弾版)」を弾きます。この曲はまず日本で連弾でなかなか弾かれないので、よろしかったらぜひ聴いて下さい。
ほとんど手書きの楽譜をポーランドのタマラからもらって一生懸命譜読みしました。稲島さんもとても頑張って譜読みして、桐朋のクラスでも一緒に弾いてもらいました。
そして。。。3月23日銀座ヤマハサロンでの楠原祥子リサイタル。ザモイスキ著、訳書の「ショパン プリンス・オブ・ザ。ロマンティクス」に因む曲、例えば、初恋の人グワトコフスカを想って作曲した協奏曲第2番2楽章のソロ版も曲目に入れました!ショパンが珍しく「あの人を想って曲を書いた」と言った曲。聴いて頂けたら嬉しく思います。
そして5月と秋にはショパンマズルカの全曲CD録音。これは私のライフワークとして、ポーランドの私の師バルバラ・ヘッセ・ブコフスカの教えを継ぐためにどうしても完遂したいと思っていました。やっと現実になります!
皆様もどうぞ健康で幸多き1年をお過ごしください。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
楠原祥子
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