会津若松へ!今年の予選審査
会津若松です! 東京→郡山まで新幹線で1時間30分。郡山から磐越西線に乗ること1時間20分。
車窓からの景色は、広々した水田や、緑深い山間と変化していき、福島から新潟へ向けて横断しているのだと思うと飽きることがありませんでした。
2両編成のワンマンカーで、バスのように途中の駅では一番前の扉から乗り降りします。
郡山を出てまもなく、磐梯山の勇姿が見えてきて何だか感激です。山の麓にスキー場の斜面が見えるけれど、あれは猪苗代スキー場かしら。猫魔スキー場には何回か行きました。(若い頃!)
会津から新潟にかけて米どころで有名で、久々に田んぼがいっぱいに広がる景色を見ました。しばらくすると、田んぼは姿を消してひたすら緑の中を走ります。目に優しい緑、木々、景色に癒され、かなりの距離があっても苦にならず車窓を心から楽しみつつ一路会津若松へ!
後から知ったことですが、戦争後、徳島の鳴門に俘虜収容所がありドイツ人たちがたくさん収容されていて、彼等はドイツを思い、ベートーヴェンを思い、その地で『第九』交響曲の日本初演をしたそうです。女性はいないので、男性だけの合唱に編曲。それを後押しした収容所長の出身地が会津若松だったとのこと。
作曲家中田喜直の父上は現東京芸術大学の声楽科教授で、その父、つまり中田喜直の祖父は会津藩の藩士だったそうで、芸術文化を尊ぶ土壌であったのかもしれません。
会津若松駅前は静かで繁華街らしきは見渡せどありません。それでもホテルは数軒あり、指定のワシントンホテルにチェックイン。ハプニングがあって30分近くかかりましたが、そんなことはなんのその。心はすでに『馬刺し 桜肉』を食べさせてくれる専門店に飛んでいます。
ホテルからタクシーに乗り込むと、運転手さんが桜肉について指南してくれました。「鶴我のは美味いよ。専門だからね。仕入れが特別なんだそうですよ。」と始まり、食べ方なども教えてくれます。
「レバー食べるといいよ。」「ハイ、やってみます」「あと、骨髄ってのがあるよ。珍しいよ。他の店にはなかなかないね。」「はぁ、骨髄ですか」。。。いくらまず食べられないと言っても、骨髄となると少し勇気がいるというものです。
お店オススメのコースに、「レバー」と「骨髄」!を別に頼みました。食べ切れるかしら。
コースの桜肉は、最上肉のフィレで、🐎1頭からほんの少ししか取れない部位だそうで、それだけに素晴らしい柔らかさ。カラシ味噌と醤油で食べます。
美味しい!馬刺しはこれまでにも青森や長野で食べましたが、このようにぽってりとした形状のお肉は初めてです。
こちらはくだんのレバーと骨髄。骨髄は「白子に近いですよ」とお店の人がおっしゃいます。
レバーだけはごま油と岩塩をまぶして食べます。新鮮だからか、これまた少しも臭みがなく案外さっぱり頂けます。骨髄は白子に似た風味とも言えますが、もっとこくがあって、もっと密度が高く濃厚です。こちらも臭みはゼロ。
会津若松の思い出に残るお味でした!
翌日は丸一日コンペの審査に携わりました。ピティナのコンペは特別にレベルが高い会場もあるように思いますが、ほぼ全国どこへ行ってもレベルは均一化されていて、こちら会津若松もレベルが揃っていました。
ホールは500名程度の大きさで、立派で響きもよく、ステージ上でも弾きやすいのではないかと思います。
審査の途中で「きゅうりがこちらの特産ですから、どうぞ召し上がってください。」と出してくださった2種類の浅漬けきゅうり。これが本当に美味しくて、夕方近く疲れも多少出てくる頃合いを見計らってのお心遣いに、私達5名揃って大感激でした。みんなで奪い合うように頂き、特に金山先生は一人抱え込んで食べていました(笑)
審査会議などすべてが終了したのは19時30分。審査はとてもスムーズで、点数で上位から本選進出者と奨励賞を取っていき、どの部門も問題なし。
こうして審査をしてわかるのは、最上位の出場者は、やはり誰が聴いても上手で、全員が揃って良い点数を出しているということです。その下は少しずつ点数にばらつきが出てきて、評価が分かれる演奏になっていきます。
音の弾き間違いはほとんど評価にひびくことはなく、本格的につっかえたり弾き直しがあると、少し評価に影響が出てきて落ちてきます。しかし、要は演奏そのものの質が高いか低いかを、どなたもがきちんと見ているのは間違いありません。
終了後、駅前のホテルでちょっとだけ打ち上げ。5人で意気投合です!
後列向かって左から、審査委員長の沼田薫先生。私。金山先生。前列河村先生は兵庫県から。梅村知世先生はドイツのデュッセルドルフドルフから一時帰国中。
いつまでもお喋りしていたい気持ちでしたが、金山先生と私はやむを得ずお先に失礼して、夜の磐越西線に乗って郡山へ。翌日が桐朋の出勤日なので郡山まで出て1泊です。
長い一日ではありましたが、先生方とのよき交流もできました。余裕があれば会津若松を観光してその歴史くらい知っておきたかったですが、今回は行って土地の名物を食べる楽しみで充分だったとしましょう!
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