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コンクールを受けている生徒さんたちは、とにかく一生懸命です。二番町の生徒さんでも、コンクール前はピアノが2台ある千葉にレッスンに来ることもあります。

コンクールの前日にレッスンをして、余計なことを修正して結果が良かったためしはないので、前日レッスンはしません。家で落ち着いてじっくりさらって欲しいと思っています。

さて夏凛ちゃんです!

三善晃ピアノコンクールで2位入賞。これは嬉しい結果でした!なぜかと言うと、夏凛ちゃんはこのところ成長著しく、気持ちと音がともに響き合うようになってきたことを感じていたので、それが結果に反映されて嬉しく思いました。

課題曲のMiyoshiピアノメソード第8巻からの2曲。何曲か私が弾いて、その中から弾きたい曲を彼女自身が2曲選びました。『光の魚たち』と『にこにこのゆりかご』です。

『光の魚たち』は人気曲。イ長調で曲の形式は型通りですが、一旦短調になった後、最後でパッと場が明るくなるのが魅力です。とてもポリフォニックな書法で書かれて、左手に音が多い時にどの程度コントロールするかで仕上がりに大きな差が出ます。それに音にムラがあると目立ってしまう。それを最終的にとてもきれいに仕上げました。

『にこにこのゆりかご』はゆりかごとタイトルにある通り、少しだけボサノバ調のスィング感をどう出せるかがキーポイントです。そのスィング感は左手にかかっているのですが、右手のメロディがどう呼応するかが仕上がりの決め手です。

でもね。。。スィング感と言ってもブランコのように単純に揺れるだけではダメなのです。ためらったり前に進んだり。これはもう感覚でつかむ。言葉で解説はできない。

のですが。。。。

ここが最近考えるところ!

『芸術とは、ショパンのような人間に証明されて、必然的な道筋をたどり、より高い法則に支配された理性そのものなのである』!!!

これは『ドラクロアの日記 Journal de Eugene Delacroix』1949年4月7日付にある文章です。

では感覚はどこへ?下手したら皆同じルバートで弾くようになってしまう。

そこは人間ですから、模写したように誰かと同じに弾く生徒さんはいませんが、ショパンとドラクロワのこの談話の記録は、ショパンが音楽をどのように捉えていたかを端的に示す重要な根拠でも有りますし、信憑性が高いことから、二人だけの会話のレベルでの話とはいえ、じっくり考えたいところです。

この話題は別に書くことにして、スウィング感から話しが時空を超えてしまいましたが、話を夏凛ちゃんに戻しましょう。

夏凛ちゃんファミリーで!

自由曲は田中カレンさんの『地球』

カレンさんは、カリフォルニア芸術大学教授で世界で活躍していますが、桐朋時代は三善晃の門下でしたから、お二人の曲を同じステージで聴くとどのように聴こえるかという好奇心に駆られていました。

必ずしも同列に並べられないが、三善晃の曲はどれも緻密な構造でほころびの一つもない。カレンさんの曲は大胆な手法で響きのミクスチャーを創作し、宇宙の果てまでも波及していく広がりと伸びやかさがあります。

言い換えれば、人にロマンを与える曲!

これら3曲を演奏して夏凛ちゃんは第8巻部門で総合第2位になり、入賞者演奏会にも出場します!🎊おめでとう。ホント、良かったわ。

大御所の審査員の先生方 右から植田克己東京芸大名誉教授、田中美江先生、作曲家中川俊郎先生、中田元子先生、武田真里東京音大名誉教授

そしてもう一人、中学2年で勇敢に第11巻に挑んだ渚月ちゃん。この部門では最年少でした。

ママと渚月ちゃん

三善晃ピアノコンクールは各部門年齢制限を無くしているのが最大の特徴で、同じ部門に中学生もいれば高校生もいることがあります。となると、自由曲については高校生に分があることは否定できないです。

渚月ちゃんが演奏したのはショパンのポロネーズ第1番作品26−1。それはそれは仕上がるまでに長くかかったのですが、最終的に今回はとてもよい仕上がりになりました。惜しくも入賞は逃したけれども、私はその演奏を嬉しく聴きました!

でも。。。。上を目指そう!

というわけで、ショパンのバラード第2番に取り組んでいます。

「ねぇ、いつまでもそんなモタモタテンポで弾いていて、いいと思ってるのっ💢ピキッ!」

と叱咤激励中です。

そして次はショパンコンクールin Asiaです。5、6年生部門でよく頑張った萌々子さん!

全国大会では🥇金賞!これはなかなかすごいことです。

よしっ、この調子でアジア大会もいい演奏しよう。

と臨んだアジア大会では。。。🥉銅賞でした。演奏したのはショパンのポロネーズ遺作d-mollです。

ショパンコンクールin Asiaのアジア大会で🥇金賞を受賞するのはかなり難しいことだと、改めて感じました。

金賞🥇銀賞🥈銅賞🥉は審査員の点数を上下カットして、平均点を上から人数で切っていきます。これらの3つの賞に入る人は、間違いなく素晴らしい演奏をした人たちで、後からでも演奏を思い出すことができるし上手だったな、という印象に残ります。

では何が分けるかと言えば、金賞🥇は全員が高い得点を入れる。銀賞🥈では少しばらつきが出てくる、銅賞🥉もその延長。

でも金賞🥇でももちろん審査員の点数には差はありますし、それに金銀銅の差は本当に微妙なところで無情に数字で切られるのですが、その差はわずかであることがほとんどです。

落胆する必要なしっ!また次への糧にしましょう。

あいちゃんは、3、4年生部門で予選で🥈銀賞でした!

全国大会で取り組んだのは、ザレンプスキ作曲メヌエットで、私もこの曲が大好きになりました。ザレンプスキの作品は、ピアノ五重奏、大ポロネーズ、組曲バラとトゲ、連弾曲集など数多く弾きましたが、こんなにすぐに口ずさみたくるメロディラインは初めて。美しい曲です!

ザレンプスキは自身が天才的に弾けたせいで、どの曲もかなり難しく、ポーランド人ですがリストに師事し、ベルギーのブリュッセル王立音楽院で教授に迎えられ、28歳で夭逝したという経歴の持ち主です。

とにかくこのメヌエットはちょっとステキな曲!

でもまとめるのになかなか試行錯誤して、全国大会からアジア大会には進めませんでしたが、あいちゃんは音楽的にとても豊かに弾きました。

そんなこんな。。。悲喜こもごもの生徒さんたちのコンクール談でした。

ちんまり横にお座り中のベンガくん

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