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今日は雨降り・・・桜の花も雨に濡れてしっとりです。千鳥ヶ淵の桜はどうなっているでしょう。雨が小降りになったら見に行くことにしましょう。
小さな出来事にちょっとした嬉しさを感じながらの毎日です。
ショパンワルツ集CDの申し込みがまた届きました。私がピアノを教え始めた頃の生徒さんで、今は3児の母となっている美保さんから!ありがとうございます。久々にお会いできたら嬉しいな。
昨日は「東京・春・音楽祭」の一環で、室内楽版のショパンピアノ協奏曲1番、2番を、上野の芸大奏楽堂に聴きに行きました。弦楽五重奏は都響のメンバー。幼なじみの小島綾子ちゃんがヴィオラです。本来ホルンなど管楽器のソロ部分がヴィオラで奏されるので、重要な役目を担っているのですが、決め所を上手に決めていました!先週水曜日にひとしきり彼女とショパンについて話したのでした。
海老彰子さんの1番は、もうさすがとしか言いようのない演奏で、陰影や彫の深さ、変幻自在な音、盗めるものなら盗みたいです!
昨日も霧雨でしたが、上野の桜はやはり美しく、枝振りが見事で、写真より実物の方が断然見ごたえあります。
 
さて、『まゆちゃん、手の改造に取り組むその2』、「手の形を整えるためのレッスンに行きました。」編。その方向の研究を詳しくされている先生のところへ、私もお母様も一緒に3人そろって行きました。
まず、どのように弾いているかを見て頂くため、チェルニーを弾きます。すると先生は即座に、非常に的確にいくつかの問題を指摘されました。
まず基本姿勢。背中に注意。例としてユジャ・ワンの写真を示されます。確かにユジャ・ワンは、背中が丸まるどころか、反らせ気味でお尻を突き出す独特の姿勢です。
まゆちゃんの姿勢はとりたてて悪かったわけではないが、背骨に力がないというか、胴体の力を使って弾く背中の張りが感じられないことが問題です。手から腕にかけてよく見えるように、袖口も短いもので弾くことが大切です。
そして“瞬発力”。
私もいつも注意をはらうところですが、まゆちゃんの手は瞬発力が弱いとはっきりと指摘を受けました。
瞬発力は生活の広範囲にわたって影響があります。ピアノにおいては、スタッカート上手。強弱や曲想の切り替え上手。音のコントロール上手。これらは瞬発力のなせる業でしょう。
一気に大きなエネルギーを爆発的に使うので、その前後の“脱力”も切り離せません。
その1で書いたカルクブレンナー考案の手導器“ギド・マン”も、そう考えると、使い方によっては、つまり棒の上に手を置いて休めながら弾く練習も、悪くないのかもしれない。。。という恐ろしい考えが頭をかすめたりします。いやいや、そうは考えるまいと自己否定。
指の弱点として、手の外側の3,4,5の指が離れ離れにならず、3の指に4と5の指が寄り添うようにくっついてしまい、自力で立たない状態であることも指摘を受けました。
なるほど~・・・
確かに5本の指を均等に開いて立てようとしても、4と5の指は曲がった房バナナのように3の指の下にかくれしまう。ゆえに、手の甲も傾斜し、ひじはストンと下に落ちたままになる。
その形を修正するために、紙粘土を使って手形を作って頂きます。
“天使の紙粘土”という商品名のもので、数ある中でも色が白くてきめ細かく、仕上がりのよいそうです。手を載せた時にしっくりと馴染みがよいのかもしれません。
この手形はどのように使うかというと、指がおさまるべき位置に手を置くことで、形状記憶させるということでしょうか。この型の上で、指を上げたり下げたりというエクササイズも行います。手全体の筋力をつけて指の独立を促していくものです。
手の強化は、エクササイズというほど大袈裟でなくても、多かれ少なかれピアニストなら心がけていることですね。
中学生の頃、私のピアノの練習に理解を示してくれたクラスメートが、親切にも、或る日突然2個のクルミをプレゼントしてくれました。その2個を手の中でころころすり合せるように動かし、いずれあの独特のクルミの凸凹が取れてただの丸い球になるまでやりなさい、というものです。
???ではありましたが、子供心にも、この人は頭がいいだけに(勉学優秀だった)考えることも人とは違うのかしら、と無理やり納得して素直に従い、その日から私のクルミころころが始まったのでした。
まゆちゃんは、その日から紙粘土の手形の上でのエクササイズが始まったわけです。
その他にも、学校への行き返りの時にもできるエクササイズ、例えばグーから指を一本ずつ数える時のように広げていくなど、楽しくできる指運動も教えて頂きました。
ピアノの鍵盤を使って音を出しながらのエクササイズもあります。瞬発力をつけるように、鍵盤の目指す位置をピタリと捉える、集中力を必要とするものもです。
それらは主に、弾力性を伴う縦方向の手の動きをつけていく。指がそれを支える。手のひらのふっくらした部分の筋肉をつけていく。それらの強化である、とまとめてよさそうです。
結果的にこの特別レッスンは、手のあるべき形を再認識し、まゆちゃんが出したい音を自在に出せるようになるための第1歩。とても価値あるものでした。言い方を変えるなら、私たちが価値あるものしていくということです。
チェルニー40番の終わり近くをやっていた練習曲も、一旦立ち止まり、楽に弾ける基本練習曲集に変えることにしました。
まず手の負担を軽減して、基本のポジションで弾ける練習曲を一週間にたくさんこなす方法に方向転換です。『オムニバスエチュード』というチェルニー・ケーラー・ベレンスなどの初歩練習曲をまとめた教材を使うことにしました。私たちなら初見でもインテンポで弾ける程度の練習曲集です。
次は、その後の現在に至るまでの経緯をお知らせします。
その3に続く

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