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なにかと話題が多い生徒の小泉順子さん。。。
初のソロリサイタルを開催しました!
三十路にして、やるぞっ!と決めたことをやり遂げて、とても立派です。へこんでもボールよりも早く復元する強い精神力の持ち主。
小さい時からお教えしてきて、紆余曲折、一旦は道を逸れたけれども、やはりピアノが好きで、音楽は彼女をこの道に連れ戻したのでした。
モーツァルト ソナタハ長調
ショパン 2つのノクターン作品27-1,2、バラード第3番作品47
シューマン ソナタ第3番ヘ短調
というチャレンジなプログラム。
最初から聴きたい気持ちは大いにありましたが、今は私自身が海よりも青くなってさらうことに専念しているので、後半のシューマンを聴きました。
第1楽章は特に短調が情感豊かに表現され、奈落の底で苦悩が渦巻くような旋律ラインを、溺れることなく、それでいて深みを感じさせました。
第2楽章に入ると、どうも意味不明。
第3楽章は大変美しい。
第4楽章はまたもや意味不明。
意味不明になると当然奏者も混乱して、よくわからないことが起きます。
しばしうねうねと創作したり、切ったりつないだりしますが、よくさらい込んであるから大きく崩壊せずに、いつの間にかうまくもとに戻っています。やれやれ。。。ホッと胸をなでおろします。
小泉さんはどんな時でも音楽的で、ピアノの前に座ってただ弾いても、一応きれいな歌になります。音楽が好きだから自然にそうなるのでしょう。なので、決して耳障りな音を出すことはないのですが、やはり音楽は見通しがよいことが絶対必要で、明解であればこそ聴衆と共有できます。
聴衆の耳が意味をキャッチできなくなると、意識が離れてしまい、共有しにくくなります。
それでも熱演!
弾き終わって大きな拍手をおくります!
あら、すぐさまステージに戻ってきました。
ん?手にはペラっとした紙を1枚もっています。
その紙は折った楽譜だったらしく、それをピアノの中に置いて、すぐさまアンコールに入る態勢。
何弾くのかしら。。。と思っていると、その楽譜を覗き込んだり、手をもんだり、また覗き込んだり、これまた意味不明の行動をしばし繰り返す小泉さん。
なにしているのかしら。。。
ようやく弾き始めました。ドビュッシーの前奏曲から「亜麻色の髪の乙女」。。
なんで突然ドビュッシー。。。?
しかも、ただですらゆったり聞こえる曲を、さらに2段階ほどテンポを落とすとはなにごとぞっ。
・・・とワタクシは怒りたくなってしまいましたが、これも一応音楽的にまとまってはいるので、聴いているうちにいいことにしました。
怒りも消滅。まぁいいわいいわ。
でも後でちゃんと言わねば。アンコールは大切です。
小泉さんの最近の特技は、チラシもプログラムもイラストレーターで自分でセンスよく作成してしまうこと。極めて有能!このところ特に腕をあげたようです。
ピアノも着々とキャリアを築きつつあり、ソロリサイタルをやり遂げて、一段階成長を遂げたことは確かですものね。
今後もずっとその強い精神力でピアノに磨きをかけて欲しいです!
楠原祥子
 
 

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