ブラームス 3つの間奏曲 作品117
ブラームス自身が「私の哀しみがはいった3つの揺りかご」と評した晩年の作品。
揺りかごというくらいですから、大きな主題があったのでは聴いている人が興味津々で聴き入ってしまい、眠れなくなってしまいます。
3曲それぞれ小さな光のような旋律が散りばめられていたり、雲の上から聴こえてくるように、それは美しく透明感のある作品です。
その3曲すべての速度記号はAndante。
1.Andante moderato
2.Andante non troppo e con molta espressione
3.Andante con moto
私は3曲すべて眠る子を起こさぬように…という速さで練習を繰り返していました。
しかしそれぞれが魅力に溢れる旋律なのに、そこに漂う空気や温度に何も変化が無く、とりとめなく音が流れていくだけで3曲のそれぞれがその魅力を消し合ってしまっていました。
先日、祥子先生に相談し、3曲目の速度について「もっとぐっと速く動きがある曲なのでは?」というようなご提案を頂きました。
え、だって先生、Andanteですよ?と思いつつ…、ふと頭の中で聴こえてくる音楽はメリハリのある速さでしかし弱く、他の2曲とは表情ががらっと変わってきました。眠る子は起こさないけれど静かに意思を持って前進していくようです。
よく見る「con moto(動きをもって)」の記号がより広く読めたような気がしました。
3曲それぞれAndanteだけど、もちろん同じではないのです。(当たり前だけど、でも普段ひとりで練習していると気づかないうちに頭が狭まってしまうことありませんか。。)
このことがきっかけで1,2曲目も見直すことが出来そうです。
大好きなこの作品。
より良く仕上げるために精一杯勉強・練習していこうと思います。
田村友紀子
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