The ⅩⅥ Tchaikovsky Competition. Congrats on 2nd prize Mao Fujita!!
チャイコフスキーコンクールの結果が出て、崩壊中だった生活もようやくもとに戻ってきました。
ピアノ部門で藤田真央くん2位!シシキンと2位を分かち合うという素晴らしい結果。真央くん、おめでとう!
優勝したカントロフは、グラン・プリも寄せて受賞し、ワンランク上の存在となりました。
ファイナルでカントロフのあの2曲の協奏曲、チャイコフスキー第2番、ブラームス第2番の演奏は、私だけでなく多くの人の記憶に長く留まることでしょう。
極めて音楽的なピアニストだということが協奏曲の選曲でもわかります。
チャイコフスキー2番もブラームスの2番も緩徐楽章で美しい弦楽器のソロが入ります。チャイコフスキーの2楽章は、ヴァイオリンとチェロが何ごとか仲睦まじく語り合う。ブラームスの3楽章は、天から差し込む光によって地上に生まれた命の歌。チェロが奏でる奇跡のメロディが、渇いた心に癒やしと慰めを届けてくれる。
迎えたピアノ部門表彰式。
審査員全員がステージに並ぶ様も壮観です。ポーランドからのパレチニ先生、ネルソン・フレイレ、ミシェル・ベロフ、メナヘム・プレスラー、パーヴェル・ギリロフなどなど。1段と巨大なデニス・マツーエフ審査員長の発表する結果にわかっていても心臓が高鳴りします。
「5位、6位は出さないと審査員全員で決定しました。これはよいことなのです。」つまり全員4位以上という結果に、審査員のファイナリストへのリスペクトが伺えます。
2位まで発表が終わって、6名がステージに上ると、結局客席に残るは唯一人カントロフ。。。
もうアナウンスの必要もなくわかりきっている優勝者!優勝は君だよ、とマツーエフが客席のカントロフを見ると、ステージからも観客からも自然に笑いが起こります。
闘い終えて、お互い称え合い、とても温かい雰囲気の表彰式です。
そしてモスクワでの全部門入賞者記念ガラ・コンサート
ここでの真央くんのモーツァルトソナタの演奏は、熱き演奏続く中でのオアシス。透きとおった水に映し出される真央くんのモーツァルトを愛してやまない心模様。多くの人から愛されるのもとてもわかります。
声楽部門の優勝者、ギリシャのGeorgios Alexandros Stravrakakis ゲオルギス・アレクサンドロス・ストラフラカキスというバス歌手。それにしても、なんと早く年を重ねたルックスの持ち主でしょうか。ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」からドン・バジリオのアリア。さすが極上の声の持ち主です。実際にオペラの中で観たらどうなるのかしら。個性の強さで光るでしょうか。
他はみなチャイコフスキーの「エフゲニ・オネーギン」からのアリア。泣かせる泣かせる。。なぜか私もチャイコフスキーが好き。
ラストを飾ったのは、ピアノのDmitriy Shishkin ドミトリー・シシキン。ゲルギエフ指揮のプロコフィエフ:ピアノ協奏曲3番の3楽章。精悍な豹を思わせる容姿。強靭な完璧なるテクニック。次世代スターピアニストの可能性が大いにありです。
それに。。。これでもかというほど鳴るピアノ。どうやったらこれだけの音を鳴らせるのか。これだけ鳴るとプロコはものすごく映える!
ファイナルでチャイコフスキーとプロコフィエフ、チャイコフスキーとラフマニノフ、など自国の作曲家の協奏曲を2曲選曲できるロシア人たち。それも強みとなるのか、プレッシャーとなるのか。
続くはサンクト・ペテルブルクでの入賞者ガラ
観てるだけで1日が終わってしまうので、これはまた後の楽しみにとっておきましょう!
楠原祥子
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