林秀光記念コンサートvol.3 楠原祥子
林秀光先生記念コンサーvol.3が終わりました!
先生への気持ちを込めて、4人で弾きつないでいきました。
林門下のみなさんはじめ、たくさんの方に応援いただき、おかげさまで温かい拍手の音を聞くことができました!本当にありがとうございました。
私が演奏した曲についてです。
ショパン(1810-1849) Fryderyk Chopin
- グランドワルツ 作品34-1 変イ長調 Valse Op.34-1 As-dur
- 幻想曲 作品49 Fantaisie Op.49
- 舟歌 作品60 Barcarolle Op.60
19世紀に入ると“ワルツの世紀”が始まる。ヨーロッパ社会が求めていた解放感や個の尊重をワルツは象徴しており、アップテンポで生き生きと踊る喜びに誰もが夢中になっていた。作品34-1『グランドワルツ』は高揚感と優雅さに満ちて、舞踏会の情景すら瞼に浮かぶ。
31才で作曲された『幻想曲』は独創性と創作力の冴えを感じさせる。短調の重い足取りの行進で始まるが、その後幻想のタイトルにふさわしく、意外性のある楽想が次々出現する。最後に長調の飛翔していくようなアルペジオで曲を閉じる。
ショパンは晩年ジョルジュ・サンドと別れ、肺病も悪化してすべてに絶望的な境地にある中、陽光溢れるヴェネツィアのゴンドラの船頭が歌う『舟歌』を書いた。この世のものとは思えぬ美しい旋律線、芳醇な和声。しかしそれは外観でしかない。彼の孤独、悲しみ、ほどなく迎えるであろう人生への別れが、寄せては返す波間に織り込まれており、それがこの舟歌の真実の姿なのである。
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