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まず写真がないと始まらないのが私のブログです!

あらぁ、私ってこんなにミクロ???トカチェフスキの隣にあっては誰でもミクロに見えるというものです。

クリスティアン・トカチェフスキ氏はポーランド人ピアニストで、現在はアメリカのNY近郊在住、コンクールの審査やマスタークラス、レッスンなどで世界を巡っています。

クリスティアンは私のポーランドの師、バルバラ・ヘッセ・ブコフスカを深く尊敬し、その演奏に魅せられ、つながりを持つようになったと記憶しています。ブコフスカ門下ではなかったですが、博士論文はブコフスカ先生のマズルカを基に書いて博士号を取得しています。

以前はこのように意欲的な人だとは知りませんでしたが、アメリカに奨学金を得て渡ってからあちらに居を構え、アメリカでショパンコンクールを立ち上げ、活動の幅を広げていったのでした。

さて今回のマスタークラスは、まず池田美奈子さんと山田智子さんのペアで、ショパンの『2台ピアノのためのロンド』からです。ショパン19歳頃の作品で、自身が出版した曲ではありません。

数ある2台ピアノのレパートリーの中では地味な存在かもしれませんが、とても味わいのある曲です。Youtube上には録画録音もたくさんありますが、ショパンの心情を最も近付いているのは、エミール・ギレリスとヤコブ・ザークの演奏かなと思います。

この時期のショパン作品の特徴をすべて備えていて、驚くような遠隔調への転調、精巧なパッセージ、緻密な書法と細やかな変化、ややセンチメンタルな旋律ライン、によってできています。

トカチェフスキは各小節ごとと言っても大袈裟でないほど、細かく止め、音楽を細分化して書法を見て直していきます。

プリモ担当の池田さんの旋律を、セコンド担当の山田さんが追いかけているか、模倣しているか、好き勝手でカプリッチョなことをしていないか。旋律よりももっと短い単位のモチーフも“問いと応答“のようにキャッチし合っているか。

それから音色についての吟味。ブリリアンテ・スタイル(華麗様式)に相応しく、音に艶を引き出すために上向する音階や高音域を味方につけることも、実演しながら進めます。

池田&山田ペアの音楽作りは、音の響きに頼っていて印象派的な響きに傾いています。響きや表現が、直接的ではなく間接的なように感じられます。

印象派の音楽の表現方法の一例として、“木の葉越しの風景“をよく引き合いに出巣ことがあります。画家の描きたいと思っている風景を、ダイレクトにではなく、あえて木立の間から覗くように、或いは木の葉の向こうに見えるように描く間接的な描き方で、ややそのようなやんわりとした表現方法をとっているように聞こえます。

この曲は私も弾いたことがありますが、誰とでも組んで弾ける曲ではなく、音楽的な指向が一緒であることが絶対条件ですし、何より、とても難しく弾きがいのある曲です。

レッスンも並大抵ではない難しさがあります。

左からセコンドの山田さん、トカチェフスキ、プリモ池田さん

そして特にトカチェフスキがこだわったのはフレージングです。演奏とはもしかするとよく聴こえるも悪く聴こえるもフレージング次第かもしれません。

段階的な盛り上がり、クライマクスも曖昧さなく作っていきます。

吟味したつもりではあったが、まだまだ曖昧でした。。。というのがその後のお二人の弁です。このレッスンがきっかけになれば何よりです。

おかしい。。この二人はトカチェフスキの隣でもそれほどミクロではないのはナゼ?

私の生徒ちゃん二人、ももこさんとなつきさんも頑張りました。

コンクールやコンクールのための録画が間近に迫っている二人。

次は稲島早織さん。曲はショパンのノクターンOp.48-1 と、バッハイタリア協奏曲1楽章。

もうピアニストさんですから当然よく弾けています。それでもやっぱり。。。

ノクターンOp.48-1のDoppio Movementは、メロディと比べてそれ以外の音のボリュームが上がってしまい、コントロールがとても難しいです。

最初の部分の左手のアクセントマークとなるリズムについても、良いアドバイスを与えてくれました。

バッハイタリア協奏曲は、推進力があり爽やかさも感じられました。でも協奏曲というだけに、協奏的な書法の部分と、チェンバロソロ的な部分と弾き分けていくことができそうです

バロックだからバッハだから音の線が細くて輪郭だけで良いわけではなく、充実した響きや、響きの強調についての良いアドバイスがありました。

あら、背景の私の本棚と机が散らかり放題ですね。。。

それから恒例の写真撮影会です!

トカチェフスキは、世界各地をレッスンがで巡って多くを吸収していることが感じられます。進化するトカチェフスキ!

彼のレッスンは何度かこれまで聴いてきました。楽譜から目を離さない、つまり基本が楽譜にあることは忠実に守る基本方針は変わることはないですが、楽譜の見方がとても細かくなり、特に各部分の書法の違いをつかんで音に反映させる、そのことに重きを置き、とても良いと思いました。

それから忍耐強く、問いかけていくこと。これも人を育てるための重要な手段ですね。

受講生の皆さんは、久しぶりに外気に触れて、得ることも多かったことでしょう!またみんなで発展していきましょう!

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